講義や講習会で配布した資料等をアップしていきます。
ものづくり基礎講座「X線回折」
平成31年01月30日開催 ものづくり基礎講座(第59回技術セミナー)より
X線は物質を透過し物質内部を調べることができます。軽量耐熱材として期待されるTiAl基金属間化合物(γ)に、成分設計を施した合金に組織制御を施すと、延性に優れるβ-Ti相との共存による(γ+β)を創製でき、優れた超塑性と拡散接合性を示します。下の写真は、組織制御材の引張試験材を透過法でX線撮影した写真です。aとbはγ単相、cとdはγ+β材で、aとcは1073K、bとdは1473Kの引張試験材です。γ単相材では結晶配向の集積が観察できますが、超塑性を示すγ+β材は認められず、組織観察結果と併せ微細粒超塑性が起こったことが判ります。
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金属の魅力をみなおそう 観察・分析編 第1回 組織観察
2017年03月29日 ものづくり基礎講座(第49回技術セミナー)より
「組織観察」は金属組織を顕微鏡で観察することです。組織観察を行うことで材料で何が起こり、どのような機能が得られるかを予想できます。すなわち所望の機能の材料の開発において、組織観察は不可欠な工程と言えるでしょう。下図(a)はNb添加鋼のTEM組織ですが、転位が析出物に止められている様子を観察できます。析出物(b)は30~50 nmで、電子線回折(c)からNbCであることが解析でき、この鋼はNbCによる析出強化がおこっていると結論できます。
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金属の魅力をみなおそう プロセス技術編 第6回 溶解・鋳造凝固
2016年03月24日 ものづくり基礎講座(第46回技術セミナー)より
「溶解」は気体・液体・固体の物質が、液体や固体物質に混合し均一相となる現象で、溶けて溶液を生成することです。「鋳造」は材料を融点より高温で加熱し液体にした後、型に流して目的形状に固める方法です。「凝固」は物質が液体から固体に変る現象です。どれも金属製品製造の基本技術です。右図は薄板を直接製造できる双ロール鋳造法で作製した、TiAl金属間化合物の全体写真(a)と断面組織(b)です。数m長の薄板が鋳造でき、ロール面から柱状晶が内部に成長していることが判ります。
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金属の魅力をみなおそう プロセス技術編 第5回 粉末冶金
2015年10月09日 ものづくり基礎講座(第44回技術セミナー)より
粉を焼き固めてかたまりにすることを「焼結」と称し、粉が金属の場合の焼結を「粉末冶金」と称します。焼結は、ニアネットシェイプ成形や組成の任意配合が可能なことなど溶解・鋳造法ではできないメリットがあります。右上図は粉末の固化成形技術として注目されるSPS法を用いて、粒径5μmのTiO2粉末を固化成形した実物です。ホットプレス法では800℃でも焼結できませんでしたが、SPS法では400℃で焼結しました。下図はその時のスペクトルですがバンドギャップをもつ半導体であることがわかり、焼結体の光誘起機能を確認しました。
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金属の魅力をみなおそう プロセス技術編 第3回 溶接・接合
2014年10月31日 ものづくり基礎講座(第40回技術セミナー)より
「接合」とは物と物をつなぐ行為で、その代表は「溶接」です。溶接では接合部が溶融され、その特徴は、継手構造が簡単で継手効率が高いこと、材料や工数削減が可能なこと、急激な加熱冷却によりHAZを形成し、靱性低下と硬化が起こることです。右は複合材料をクラッド圧延する際、ワニ口割れ防止を目的に、ロール入口部に溶接を施した例で(a)、圧延の結果、板厚150μm、長さ4mの板材が、割れ無しに加工(b‐c)できました。このクラッド材は表層が耐酸化性に優れた合金で被覆され優れた耐酸化性を示しました(d)。
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金属の魅力をみなおそう プロセス技術編 第1回 圧延
2014年6月5日 ものづくり基礎講座(第37回技術セミナー)より
圧延とは、回転するロールの間に素材を通して素材の厚さや断面積を減じ、目的形状に成形する加工を称します。素材はロールからの摩擦力によりロールに引き込まれ、ロールからの圧縮力を受けて変形するため、圧下率やパス数、熱処理等により、加工材の欠陥や組織の制御が可能となります。また圧延により原子のならびを(結晶配向)制御でき、電磁鋼板などの機能性金属材料の製造に利用されています。
右図は当室で行ったクラッド圧延で創製した、軽量性と耐食性に優れた複合鋼板の模式図と組織写真です。
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光触媒による空気浄化・脱臭
当室では光触媒に関する共同研究をお受けしております。ここではこれまでに相談のあった案件のうち、光触媒による空気浄化・脱臭に関する情報を分解対象物質ごとに分けて順次公開いたします。
金属の魅力をみなおそう 第6回 マグネシウム
2012年11月7日 ものづくり基礎講座(第32回技術セミナー)より
単体のマグネシウムは、アルミニウムの2/3、鉄の1/4程度の比重のために比強度が高く、製品の薄肉軽量が可能な金属です。地殻にも海水にも埋蔵量が多く、リサイクルの再生エネルギーが製造時の5%程度で済むため、環境やエネルギー面でも魅力的な金属です。右図のエリンガムダイアグラムにおいて、緑線で示したマグネシウムは酸化物として安定(図中の下の方に位置します)ですので、大気中では安定な酸化皮膜を形成します。課題は結晶構造に由来する難加工性ですが、チクソモールデイングや温間圧延などにより、成形加工が行われています。
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金属の魅力をみなおそう 第5回 ステンレス
2012年9月7日 ものづくり基礎講座(第31回技術セミナー)より
ステンレスはFeにCrを10.5 %以上、Cを1.2%以下含んだ合金を称し、耐食性・耐熱性・加工性・強度などに優れた性能を示します。耐食性の原因は、表層に形成されるCr酸化物を主体とした、1~3nm程度の薄い皮膜が母材を保護するからです。この皮膜は不動態膜と称し、電気を通しにくい性質を持つため、電気化学反応による錆の生成を抑えます。不動態膜の機能を向上させることで、過酷な腐食環境にも耐えるステンレスが開発されています。
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金属の魅力をみなおそう 第4回 アルミニウム
2012年7月26日 ものづくり基礎講座(第30回技術セミナー)より
アルミニウム(Al)は軽くて加工が容易なため、多くの製品に利用されている金属です。その表面は薄い酸化膜で覆われているため、耐食性にも優れます。また熱や電気を伝えやすいことから、エネルギー輸送物質としても多用されます。
欠点である低強度は、Alが他の元素をあまり固溶しないという性質を利用し、析出強化により改善されます。右図の例はAl-4%Cu合金を時効すると、時効時間によって生成する析出物の形態が変わり、それに応じて硬度が増加することを示します。このようにAl合金は析出強化を利用して高強度を得ています。
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金属の魅力をみなおそう 第3回 ニッケル
2012年5月11日 ものづくり基礎講座(第29回技術セミナー)より
ニッケル(Ni)は強度と加工性を兼ね備え、強磁性や優れためっき性などの特徴を持ち、ステンレスや貨幣などの合金元素に使用されます。また他の金属との合金化により、形状記憶特性、磁性、耐熱性など様々な性能を示し、身の回りで広く活用されています。
宇宙から届く隕鉄は、液相のFe-(6-20)Ni合金が無重力で 100万年に数~数百Kで冷却された物質で、針状の特徴的な組織(右図)を呈します。地表にはNiは0.007%しか存在しませんが、地球の中心部には隕鉄と同程度のNiが含有すると考えられています。
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金属の魅力をみなおそう 第2回 銅
2012年2月8日 ものづくり基礎講座(第28回技術セミナー)より
銅(Cu)は有史前から人類が使用してきた金属です。昨今は、高い導電性や熱伝導率を利用し、半導体配線材料や熱伝導材料などにも多用されています。また、様々な金属との合金化により、強度と加工性を付与でき、構造材料だけでなく、貨幣や美術品にも使われてきました。
銅合金は楽器の材料として昔から使用されていますが、その理由は音の減衰が低いこと(振動吸収が小さいこと)と、音の伝達速度が速いことです(右図)。そして、銅合金が、成形性や接合性、耐食性に優れため、トランペットやホルンに使われています。
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金属の魅力をみなおそう 第1回 チタン
2011年11月21日 ものづくり基礎講座(第25回技術セミナー)より
チタン(Ti)は鉄の6割程度の密度で、鉄より融点が高く、高強度・耐食性を示すことから、軽量耐食構造材料として広く実用化されています。また、眼鏡や食器、装飾品などの生活用品にも利用されています。
Tiは細胞毒性の低い金属で、人体に優しい材料として注目されています。右の写真は細胞毒性の低い金属から構成されるTiNbSn合金のステムですが、冷間鍛造と切削加工で成型が可能です。骨と近いヤング率を持つと共に、高強度と成型加工性を併せ持ち、安全安心なインプラント材料として期待されています。
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光触媒テキスト2008年 第78回金属材料研究所夏期講習会にて配布 陽極酸化による二酸化チタン光触媒これまでの研究成果をまとめました。 Fabrication of TiO2 photocatalyst by anodizationBrief summary of the recent study 光触媒テキスト2010年 第80回金属材料研究所夏期講習会にて配布 陽極酸化法により創製した二酸化チタンの光誘起機能 |